学生時代から建築やプロダクトデザインが好きだった私は、書店に並ぶモダンリビングやCasaBRUTUSなどの雑誌で豪邸紹介を眺めながら、どんな世界に住む人がこういう家に住めるのだろうと不思議に思ってました。大学を出て民間企業に入社したあとも会社の知人や友人含めて、そんなことが話題に上ることもなく時間は過ぎていきました。
入社当時は存在すらなかったインターネットやSNSの台頭により情報が簡単に手に入るようになると、おぼろげながら不動産取引の実態が見えるようになってきました。10代後半から賃貸での一人暮らし、20代でのワンルームマンション購入や数回の引っ越し、30代で結婚、40代で子供ができたのをきっかけに50代も近くなった日曜の朝に、新聞の建売りの折込広告を眺めていて、衝動的に「そうだ、自分で家を建てよう」と思いつきました。
衝動的に家を建てようと決心しましたが、20代、30代、40代を何度か買い替えや賃貸引っ越しも繰り返しながら、結婚・子供の誕生を経験し、人生の後半に向けて家をどうするのか長い間、自問自答を繰り返していたことも事実です。つまりは、永遠の課題である賃貸か購入か、またマンションか戸建てかという選択肢から結論を出せず、ずるずると引き延ばしてきました。
つづく。
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